ポイント

・一時10.5万ドル割れ

・米関税差し止め判決で一時反発も、控訴審で判決が停止され下落

・11営業日ぶりのETF流出が下押し圧力に

・不透明感は増したが、市場は比較的冷静

昨日のBTC相場

昨日のBTC市場は続落した。

一昨日、11万ドル(約1605万円)台から失速すると、昨日朝方10.6万ドル(約1550万円)台で反発し、10.9万ドル(約1595万円)近くまで値を戻したが、今朝方一時10.5万ドル(約1535万円)を割り込んだ。

BTCは先週木曜日に史上最高値を更新し、金曜日に11.2万ドル手前で上昇が一服すると、レジスタンスだった10.6万ドルに抑えられ、方向感のない取引が続いた。

一昨日は11万ドルのオプションストライクの影響もあり、10.9万ドルから11.1万ドルの狭いレンジで取引が続いたが、米5年債入札を前に米長期金利が上昇すると、リスクオフのムードが強まり10.6万ドル台に値を落とした。

5年債入札は好結果となり、NVIDIAの好決算も重なる中、BTCは下げ渋った。さらに、米国際貿易裁判所がトランプ関税の多くを差し止める判決を下したことで、BTCは10.8万ドル台に反発。ドル高・円安も手伝い、円建て価格はシャープに切り返した。

しかし、前日もみ合っていた10.9万ドル台で上値を抑えられると、相互関税の撤廃によるインフレリスク後退の見方から長期金利が低下。ドル売りに転じ、ドル円が下落すると、円建て価格も下落に転じた。さらに、米株市場がオープンすると、先行きの不透明感も影響し、ETFフローが逆流。BTCはじりじりと値を下げた。

一旦10.6万ドル台でサポートされ反発したが、結局これを割り込み、10.5万ドル台に下落。7年債入札が好結果となり、米控訴裁判所で貿易裁判所の相互関税差し止めが一時停止されると、BTCは一時反発したが、不透明感が増すとの見方が広がり、再度10.5万ドルを割り込んだ。

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。